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<主張>学習院大学で相次ぐ不祥事、大学当局は部活やサークルを適切に指導・監督せよ

学習院大学の部活・サークルの不祥事の発覚が相次いでいる。
ヨット部アメリカンフットボール部運動部常任委員会といった運動系団体英語部ドイツクラブといった文化系団体応援団など独立5団体のいずれにおいても、未成年飲酒などの違法行為やアルコールハラスメントなどのハラスメント行為が明らかになっている。

これらの部活やサークルのうち、公認団体には学習院大学学生課を通じて、助成金が支給されている。学習院大学における課外活動助成金等は7つに分けられ、それぞれ「輔仁会大学支部予算」「輔仁会激励金」「学習院課外活動助成金」「課外活動助成費」「父母会助成金」「父母会課外活動等助成金」「桜友会輔仁会課外活動褒賞金」が存在する。

学習院大学 +ACTIVE「助成金について」より引用

はたして、これらの助成金の資金源は何であろうか。学部納付金(学費)である。

課外活動助成金等を運営する輔仁会や父母会の会費は保証人(父母など)に対して、入学金や授業料など併せて請求されている。それぞれ父母会費が年間5,000円輔仁会費が年間6,300円だ。

学習院大学Webサイト「平成29年度 学部納付金」より引用

また、学習院大学の同窓会である「桜友会」の基本会費として3年次に35,000円が徴収される。

年間で5,000円の父母会費と6,300円の輔仁会費、3年次の35,000円の桜友会基本会費を合わせると、在学4年間で80,200円だ。輔仁会・父母会・桜友会の会費がすべて課外活動助成金等に割り当てられているわけではないとしても、学生やその保証人は在学期間を通じて一定金額を間接的に部活やサークルの活動支援に支払っている形になる。
しかし、輔仁会・父母会・桜友会に関する費用が入学金や授業料とともに請求されていることと、学習院大学の部活やサークルで不祥事が相次いでいることを併せて考えると、学生や保証人は違法行為やハラスメント行為を続ける反社会性の強い団体に対して資金援助を強いられていると言える。しかも、一部の部活やサークルは「学習院大学」の名前を冠しながら違法行為やハラスメント行為を続け、学習院大学の名誉や評判を貶めている。つまり、学生やその保証人は学費を払うことで、学習院大学の名誉や評判を貶める行為(違法行為やハラスメント行為)に資金的に加担させられているのだ。
場合によっては違法行為やハラスメント行為の被害に遭った学生も、違法行為やハラスメント行為を続ける部活・サークルに資金を間接的に提供していることにもなる。違法行為やハラスメント行為が現状として放置されているばかりか、それを資金的に支援させられているとしたら、違法行為やハラスメント行為の被害に遭った学生やその保証人の心情はいかばかりか。

学習院大学(当局・輔仁会・父母会・桜友会)による部活やサークルへの支援は課外活動助成金等に限らない。黎明会館富士見会館には部活やサークルの部会室や活動拠点が置かれている。これらの施設の土地代や建設費用、固定資産税や光熱水費などは学習院大学が支払っていると考えられる。しかし、それらの費用も元をたどれば学生やその保証人が支払った学費(特に施設設備費)だ。
また、学習院大学学生センターや課外活動指導委員会は部活やサークルを「公認」して、彼らの存在や活動に「お墨付き」を与えている。大学からの公認を得ることで、部活やサークルは大会などに出場できる。

学習院大学の部活やサークルが他の学生からも間接的に活動資金などの支援を受けているのであれば、学習院大学やその学生の名誉や評判を貶めないことは絶対条件だろう。しかし、実態としては部活やサークルが違法行為やハラスメント行為により、学習院大学やその学生の名誉や評判を貶めている。また、部活やサークルは活動資金の提供者である他の学生やその保証人に対して一定の説明責任を負っていると言える。したがって、活動内容や財務会計について、可能な限り明らかにするべきではないか。
学習院大学当局や輔仁会・父母会・桜友会も、学生やその保証人から徴収した資金を部活やサークルに助成金として分配したり、部会室や活動拠点を提供するのであれば、部活やサークルを適切に指導・監督する責務がある。しかも、部活やサークルと関係ない学生の名誉や評判が貶められないようにするという意味でも、学習院大学当局が部活やサークルを適切に指導・監督する責務があると言える。
現状ではそれらの責務が全うされているとは言えない。大学や法人のコンプライアンスやCSRという意味でも、これらの状況が正されるべきである点は明らかだ。

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