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学生名簿を屋外に掲示!?/学習院大学の「ずさんな個人情報管理」の実態(1)

学習院大学のキャンパス内に「学生名簿」が掲示されていたことが明らかになった。

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学習院大学 文学部史学科の「英語C」「英語R」クラス分け資料(提供:学習院大学 某運動部関係者)

 

「英語C」「英語R」との記載から読み取れる通り、外国語の授業のクラス分けの資料で、学籍番号や氏名が一覧できる資料がキャンパス内に掲示されている。

 

これでは個人情報保護に対する学習院大学の姿勢を疑わざるを得ない。

キャンパスに立ち入るのは学生や教職員に限らない。部活の試合や練習で訪れた他大学の学生や監督・コーチはもちろん、大学に用事のある企業関係者が訪れることもある。

また、大学のキャンパスは試験やセミナーの会場として用いられるほか、大学祭では一般に開放される。

しかも、学生たちは制服を着用しているわけではないので、関係者を装って部外者がキャンパスに忍び込むことも容易にできる。キャンパスの門には警備員が立っているものの、出入りするすべての人物に対して身分証明書や本人確認書類をチェックしているわけではない。

 

そのような場所に、学生の氏名や学籍番号が一覧できる資料を掲示することは、果たして適切と言えようか。

しかも、学籍番号が分かるということは、学生が学習院大学から支給されるメールアドレスも特定できるのだ。
学生が学習院大学から支給されるメールアドレスは学籍番号に紐付いている。学籍番号が「ab-cde-fgh」とすると、メールアドレスは「abcdefgh@gakushuin.ac.jp」となる。

 

これでは学習院大学の個人情報保護に対する姿勢を根底から疑わざるを得ない。

E-mailによる連絡はもとより、ポータルサイト「G-Port」などもあるのだから、クラス分けなどの連絡はそれらを用いれば良いのではないだろうか。個人情報保護に対する大学の姿勢として、不特定多数が閲覧できる場所に学生の氏名や学籍番号を公開することが不適切であることは明らかだろう。

 

もっとも、現時点では改善されているようだが、それでも過去に不適切な個人情報管理があったことに変わりはない。一般企業などで同様の事例が発生した場合、通常であればステークホルダーに対して責任者が謝罪と説明を行う。しかしながら、現時点では未だに学習院大学によるステークホルダーへの謝罪や説明はないという。これはステークホルダーに対する真摯な姿勢とは言えないだろう。

学習院大学では「個人情報の拡散」が許されるようなので、この程度は「序の口」なのだろうか。

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