前回に引き続き、学習院大学では「学生名簿」が学生たちに共有されていたことが明らかになった。
国際社会科学部の学生を対象に、「Moodle」と呼ばれるサイトで共有されていた模様である。

「英語クラス」との記載から読み取れる通り、英語の授業のクラス分けの資料のようだ。
学籍番号や氏名が一覧できる資料がPDF形式で配布されている。
確かに前回の学生名簿とは異なり、「キャンパス内への掲示」ではない。
しかし、学生の氏名や学籍番号を一覧できる資料であることには変わりなく、それが容易に部外に公開できる形式で共有されていたのだ。
果たして、学生の氏名や学籍番号が一覧できる資料を安易に教諭することは個人情報管理や情報保全の管理から適切と言えようか。
しかも、学籍番号が分かるということは、学生が学習院大学から支給されるメールアドレスも特定できるのだ。
学生が学習院大学から支給されるメールアドレスは学籍番号に紐付いている。学籍番号が「ab-cde-fgh」とすると、メールアドレスは「abcdefgh@gakushuin.ac.jp」となる。
やはり学習院大学の個人情報保護に対する姿勢を根底から疑わざるを得ない。
E-mailやポータルサイト「G-Port」はもとより、国際社会科学部には「Moode」などもあるのだから、クラス分けなどの連絡はそれらを用いれば良いのではないだろうか。個人情報保護に対する大学の姿勢として、不特定多数に共有できる形式で学生の氏名や学籍番号を公開することが不適切であることは明らかだろう。
もっとも、現時点では改善されているようだが、それでも過去に不適切な個人情報管理があったことに変わりはない。一般企業などで同様の事例が発生した場合、通常であればステークホルダーに対して責任者が謝罪と説明を行う。しかしながら、現時点では未だに学習院大学によるステークホルダーへの謝罪や説明はないという。これはステークホルダーに対する真摯な姿勢とは言えないだろう。
学習院大学では「個人情報の拡散」が許されるようなので、この程度は「序の口」なのだろうか。